伊東市民病院は、伊豆半島東部地区の急性期医療を担う病院です。周辺に他の急性期病院がないことから、疾患の種類によらず周辺市町の入院患者の多くが当院に入院することになります。救急では3次救急医療施設までは山を越えて1時間近くかかる地域のため、地域の救急搬送のほとんどを受け入れ、当院で多くの救急医療を完結しています。伊豆半島南部から当院へ搬送されることもあります。そのため、1次救急から2.5次救急とも言えるような重症度の幅広さと、地域のすべての患者を診る疾患領域の幅広さの両者に対応する伊豆半島東海岸の地域医療に欠かせない施設と言えます。研修医の役割も大きく、指導医の元、実践的な経験がつめること間違いなしです。年間救急車搬送台数は3,325件(2020年度実績)で、ヘリポートも完備しています。
急性期疾患はもちろん、今後も医療構造上大きな位置を占める慢性疾患にも取り組んでいます。同法人運営の介護老人保健施設が隣接しており、2013年10月には回復期リハ病棟も稼働を開始しました。慢性期疾患、リハビリテーション、高齢者医療も学ぶことができます。そのほか行政・医師会・保健福祉関係施設と一体となり地域包括ケアへの取り組みに参加したりすることで、地域医療構築も実践できます。以上のように急性期だけでないバランスの取れた研修を目指しています。
各診療科の指導医やコメディカルの理解もあり、いろいろな手技を経験できる病院というのが魅力の一つです。腹部エコー、心エコー、消化器内視鏡などの症例を数多く経験できます。さらに、2013年3月に新病院がオープンし、研修のためのシミュレーションセンターも開設されました。スキル・トレーニングを安全、効果的に行える環境も充実しています。内科では総合内科ローテーションで東京ベイ浦安市川医療センター、飯塚病院と連携し、EBMにのっとった医療を展開しています。
基本情報
プログラム責任者 | 荒川 洋一(アレルギー科部長兼臨床研修センター長) |
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研修期間 | 3年 |
修了後に取得できる資格 | 総合診療専門医 |
修了後の進路 | 当院で医師として従事する他に、全国の地域医療振興協会所属病院や診療所でも勤務可能です。海外留学制度もあります。 |
プログラムの特徴
そのような環境の中で、当プログラムは以下のような総合診療医育成を目指しています。
・医療従事者/資源の限られる地域での総合診療ができる。
・他科との連携が必要な都市部の総合診療ができる。
・旅行者、外国人といった医療弱者対象の総合診療ができる。
そのために
・伊豆半島にある診療所、小病院で総合診療Iを行います。
・小都市である伊東市にある伊東市民病院(基幹)で内科/総合診療などを行います。
・都市部の静岡県立総合病院での研修も組み込みます。
ローテーション表
※ このローテートは一例です。個人の希望にあわせて個別にローテートを作成します。
総合診療専門研修Ⅰ
研修地域の実情
・へき地
西伊豆健育会病院、戸田診療所、浜松市国保佐久間病院
・医療資源に乏しい地域
賀茂医療圏(人口10万人あたり医師数144.7)
下田市(過疎地域自立促進特別措置法指定地域):下田メディカルセンター、いなずさ診療所
河津町:伊豆今井浜病院
伊豆市(市の人口10万人あたりの医師数172.4人):伊豆赤十字病院
総合診療専門研修Ⅱ
領域別研修
伊東市民病院または静岡県立総合病院で12ヶ月行います。
小児科、救急科
伊東市民病院または静岡県立総合病院で行います。各科それぞれ最低3ヶ月行います。
その他
伊東市民病院で外科、整形外科、産婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科の
短期研修が可能です。各科と連携をとって患者対応できるのも特徴です。