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耳鼻咽喉科

当科では平成18年度に168例の手術を施行しております。その主な内訳は,耳疾患(鼓室形成術など)20例,鼻副鼻腔疾患(副鼻腔根本術,鼻中隔矯正術,下鼻甲介切除術など)52例,咽頭疾患(扁桃摘出術,アデノイド切除術など)38例,喉頭疾患(声帯ポリープ切除術など)21例,頭頚部疾患(頭頚部腫瘍摘出術,頸部郭清術など)17例,咽頭形成術8例,唾石摘出術10例などです。

外来では内科的な治療が中心となりますが,アレルギー性鼻炎に対するレーザー焼灼術,滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置術などの外科的治療も行なっています。また当科では,病院と診療所の連携を大切にしており,退院後はできるだけ近医の耳鼻科医院に紹介しています。

スタッフ紹介

◇常勤医師
●松尾 博道 (まつお ひろみち)
耳鼻いんこう科部長 自治医科大学医学部 昭和62年卒
専門分野:音声外科
医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本医師会認定産業医

治療

耳鼻いんこう科・頭頚部外科についてオールラウンドな診療を行なっています。当科で受け持つ領域は耳科疾患(難聴,中耳炎,めまい,顔面神経麻痺など),鼻科疾患(アレルギー性鼻炎,副鼻腔炎,鼻出血など),咽喉頭疾患(扁桃炎,喉頭炎,声帯ポリープなど),頭頚部腫瘍(舌,咽頭,喉頭,甲状腺,耳下腺,顎下腺の良性腫瘍),頭頚部外傷と多岐にわたります。

具体的には,めまいについては十分な問診と理学所見よりめまいの病巣を推測し、MRI検査や前庭機能検査、必要があればENGまで行っています。突発性難聴・顔面神経麻痺ではステロイド漸減点滴療法を行ない,顔面神経麻痺については星状神経節ブロックも施行しています。慢性中耳炎に関しては,保存的治療と共に鼓室形成術等の外科的治療も行っています。アレルギー性鼻炎には外来で減感作療法,鼻粘膜の電気凝固術,レーザー焼灼術を行い,重症例には5日間の入院の上,全身麻酔下に下鼻甲介切除術,粘膜下下鼻甲介切除術を行っています。保存的治療で軽快しない慢性副鼻腔炎には全身あるいは局所麻酔にて内視鏡下副鼻腔手術を行なっており,入院期間は1週間程度です。

慢性扁桃炎や声帯ポリープに対しても殆どの例で全身麻酔下に手術を行っています。また,最近増加傾向の睡眠時無呼吸症候群に対 しては,1泊入院でアプノモニターによる検査をします。その結果で経鼻的持続陽圧呼吸療法の導入を検討したり必要例には全身麻酔下に口蓋咽頭形成術を行ったりしています。

ナビゲーション手術

当科ではMedtronic Sofamor Danek 社のStealth Stationを使用して耳および鼻科手術に際して安全性を重視したナビゲーション手術を積極的に行っています。今まで困難とされてきた再手術例の副鼻腔炎や難度の高い鼓室形成術などに威力を発揮しております。

コブレーター手術

鼻粘膜・扁桃腺・アデノイド・いびきの手術に際し低侵襲で安全性が高い高周波ラジオ治療と呼ばれるものがこれです。術後の出血や痛みが少なくUSAではスタンダードとされている器械です。当科でもこれを採用し幅広く手術を行っております。また、日帰り手術・短期入院手術にも適しています。

嚥下障害の手術

高齢者・神経疾患などの患者さまの嚥下障害に関してVTR喉頭造影法にて障害部位を診断し、部位に応じてリハビリテーションや手術適応を決めます。

嚥下障害・言語障害のリハビリテーション

平成19年9月に非常勤の言語聴覚士を採用しました(平成20年1月より常勤)。院内のみならず、外来で嚥下障害や言語障害に悩まれる患者さんにとって朗報だと思われます。専門の立場から障害部位や問題点を見つけ出して1日でも早く治療が開始できるよう耳鼻科医と言語聴覚士と2人3脚で頑張っております。

アレルギー性鼻炎の治療

 アレルギー性鼻炎の治療法は一般的には抗アレルギー剤を服用していただいたり、点鼻薬を使用していただく場合が多くなります。注射療法は現在副作用が多いため日本耳鼻咽喉科学会では推奨していません。そのためどうしても内服薬だけでは症状が治まらない方、あるいは1年中アレルギーの症状があって薬を1年中飲まなくてはならなくて経済的負担がかかって来た方にとって手術療法という方法が浮かび上がります。
 アレルギー性鼻炎の症状はくしゃみ・鼻水・鼻閉(鼻づまり)という3つに大きく分けられますので個々の患者さんの状態に応じて手術法が選択されます。当科では3者をある程度満たす方法としてレーザー治療を主に行ってますが症状が思うほど軽減しない場合も少なくありません。
 次に選択すべき治療法は個々のアレルギーの症状によって決定されるべきでしょう。
 鼻閉が強い場合はコブレーターという器械で粘膜の下の余分な組織を凝固することで鼻閉が改善します(外来でできます)。また、入院して鼻の粘膜下の骨を削る、いわゆる粘膜下鼻甲介骨切除術によって劇的に鼻閉が改善して鼻水やくしゃみも連動しておさまることがあります。
 くしゃみや鼻水が強い場合は鼻の粘膜を支配する自律神経を遮断を押える、いわゆる後鼻神経遮断術という最近注目されてきた方法があります。これは内視鏡下で鼻腔を観察しながら鼻の奥の後鼻神経が鼻粘膜上にでてくる箇所を電気メスにて焼いてしまいます。全身麻酔で行いますが入院は3日程度と比較的短期間の入院で済みます。長い間鼻水やくしゃみでお悩みの方にとっては朗報かもしれません。
 アレルギー疾患は国民病のひとつになっていると言っても過言ではありません。内服治療でも薬の副作用は絶対避けることはできません。肉体的、経済的にあまり負担のかからないオーダーメイドのアレルギー性鼻炎の手術療法がこれからのトレンドになると思われます。